外部とつながる社内SE

大事な役割の一つ、ベンダーコントロールに注目!

具体的なプロセスは?

ベンダーコントロールをスムーズに進めるためには、いくつかの具体的なプロセスを理解して活用することが大事です。

その一つの段階に「VMOの確立」というものがあります。これは、ベンダーコントロールをするための組織を指し、最初期の段階でVMOを確立することが重要です。この業務を行うための専任組織として、調達やプロジェクト管理、テスト分析、予算管理などの専門的な知識を持つメンバーを集めることで、ベンダーコントロールを成功させることができます。
また、早い段階でゴール設定をすることも必要です。この際、システムやネットワークを作ることでサービスもしくはブランドの新しい価値を作り上げる「戦略最適志向」を重視するか、コスト削減や効率化をメインとする「調達最適志向」を選ぶかを考えるべきです。とにかく実質を重視するのか、競争力を高めることを重視するのかという考え方によって、ベンダー選定も変わってくるからです。

ベンダー選定の段階は特に慎重にすべきです。単に価格だけを考えるのではなく、上記のゴール設定や実績、信用度、抱えているエンジニアの質や数などを組み合わせて検討すべきです。その際に、それぞれの項目をスコア化して、ベンダーを評価していくと公平な選定がしやすくなります。
そして、マネジメントプロセスに入っていきます。それぞれの工程で評価指標を設定して、品質やスケジュールが適正かどうかを把握していくことがポイントです。そして、課題を見つけて修正していくために、常にPDCAを実行していくことも質の高いプロジェクトとするために欠かせません。

ベンダーコントロールの必要性

「ベンダーコントロール」は、言葉をシンプルにするなら、システム発注を管理する社内SEの役割の一つです。社内SEの業務は多岐にわたり、自社システムの構築、運用保守にかかわるものから、ヘルプデスクとしての役割まで担っています。大企業や大規模組織となると、社内システムへの要求が増えるため、すべてを社内だけで対応することは困難となるのが一般的です。
それを解決するために、システムの設計や構築、運用、そしてセキュリティの監視など、さまざまな業務を外部のベンダーに依頼することがあります。ベンダーコントロールのおもな役割は、社内の関連部署や担当者から情報をしっかりと収集し、それをベンダーに伝達し、指示を出すことです。

それでは、ベンダーコントロールで大切なことは何かと問われたら、ITの知識が必要不可欠であると答えます。たとえば、社内システムの設計から構築、運用、保守までをベンダーに任せるとき、適切な指示を適切なタイミングで出すには、一定の知識が必須です。
また、納品された製品の品質評価や確認も、知識がなければ適切に判断することは難しいでしょう。運用上の問題をベンダーに通報する際にも、内容を正確に理解しておくことが必須です。そのため、ITに詳しくない人や初心者にはこの仕事は難しいかもしれません。
自身が持つエンジニアの経験、特にネットワークエンジニアとしての経験は非常に役に立ちます。なぜなら、ネットワークエンジニアが行うネットワーク設計という業務は、ベンダー側のネットワークエンジニアと多くの共通点を持つからです。

(この記事を書くにあたり参考にしたサイト⇒自社とパートナー企業の調整役「ベンダーコントロール」